さらに柳澤さんが勧めるのが、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の取得だ。介護認定を受けている高齢者でも、身体的な不自由や認知症などの脳の障害も含め、所定の障害を抱えていれば、障害者認定を受け、障害者手帳を発行してもらうことが可能だという。障害者手帳があれば、住んでいる自治体によって地域差があるものの、各種税金での軽減措置や公共料金等の割引、医療費や介護費の助成、福祉タクシー利用券の交付など、生活全般においてたくさんのメリットがある。
さらに、「来たる在宅療養の日のために、住環境を整えておこう」と、定年退職などを機に将来の介護に備えたリフォームを考えている人は要注意だ。なぜなら、いざ介護が必要になるときにならないと、どんなリフォームが必要なのかが正確にはわからないからだ。
「介護保険の対象になってからのリフォームであれば、介護保険で1~3割の負担に抑えられるので、必要になってから行動に移して」(同)
多額の費用をかけずとも、在宅療養は実現できる。人生の終末期、お金をかけない選択肢として、在宅療養を考えてみてもよいかもしれない。(フリーランス記者・松岡かすみ)
※週刊朝日 2021年10月22日号