タイのイメージ(Getty Images)
タイのイメージ(Getty Images)

 世界的な物価高騰の中、ドル・円レートは歴史的な円安。年末年始の海外旅行なんて無理!と思っている人も多いのでは。しかし、諦めるのは早い。旅行のプロたちに、逆風下でも海外を旅するためのポイントを聞いた。

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 年末年始の海外旅行での重要なポイントは何か。「オールアバウト」海外旅行ガイドの中原健一郎さんは、二つ注目してほしいという。

 一つ目は【距離の近さ】。

「円安以前に、今は飛行機代そのものがすごく高いので、距離が遠ければ遠いほど当然高くなります。そういう理由からアメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどはチケットの価格面で割高になってしまい、あまり値ごろ感がありません。また、万一コロナの感染状況等で何かがあった場合、帰国に時間がかかるという不安もあります」

 もう一つが【物価の安さ】。ニューヨークでちょっとした外食が日本円で何千円もするなどといった物価高のニュースをよく目にするが、

「そもそもの現地の物価が安い国はたくさんあります。たとえばヒルトンなど世界規模で展開するホテルの同程度の部屋の値段を物価の違うニューヨークとバンコクで日本円換算して比較すると、その差が歴然とわかると思います。円安とはいえお得感を感じられる国はたくさんあるのではないでしょうか」

 実際にニューヨークとバンコクで、ある同じ有名ホテルの最低宿泊価格を比べると、バンコクは6千円程度なのに対し、ニューヨークは約4万円と、6倍以上の開きがあった。こうした点を踏まえて中原さんが推すのが、東南アジアエリアだ。

「もちろん国ごとに微妙な差はありますが、近くて物価が安いという条件を満たすのは東南アジアです。また、対ドルで円と同じように通貨安が進んでいる国という見方で選んでいくのもひとつの方法で、現在はユーロ圏やイギリスが該当します。実際にはインフレも進んでいるのであまり現地でお得感は感じられないかもしれませんが、円安のデメリットを比較的緩和できる地域ということは言えると思います」

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