なぜなら、「先発の筆頭になる可能性が15%の投手に、球団が4年6600万ドルの契約をするのは大きなリスクだ」ということらしい。また、「既にマリナーズにいるマルコ・ゴンザレスなどの投手や、今後でてくる投手のことを考えると、(この大型契約は)賢明な投資とは思えない」とも書かれていた。

 著者は、この記事を執筆したクリス・オーデイ記者に取材を行い、菊池の将来について意見を求めた。まず、「球団側がオプションを行使せず、選手側のオプションが選択され、菊池が単年契約でマリナーズに残留した場合、その後も契約を続けるチャンスはあるのか」と質問すると、オーデイ記者は次のように回答した。

「菊池がサイ・ヤング賞にふさわしい成績でシーズンを終えない限り、22年以降マリナーズに残ることはないでしょう。このまま平凡な成績であれば、彼にとって最後になると思います。なぜなら、(自身の記事で述べた様に)マリナーズには投手が十分揃っているからです」。

 菊池はマリナーズでの3年で70試合に登板し、365と2/3イニングを投げて15勝24敗、防御率4.97という成績を残しているが、「このような成績ではチームに残ることは難しいだろう」という見解を示した。

 次に、オーデイ記者が、記事の中で「来季菊池がどの役割で投げるか分からない」と書いていたことについて、その理由を尋ねた。

「彼は先発ローテーションの上位にいれる可能性を示しているし、なにより先発という役割が一番合っていると私は思います。しかし、今季終盤、チームは彼を先発ローテーションから外してブルペンに配置しました。つまり、チームは不調であれば彼を先発から外し、ブルペンに配置する意志を示しました」

 20年ぶりのプレーオフ進出への可能性があった、ロサンゼルス・エンゼルスとのシーズン最後の3連戦で菊池がブルペンで待機していたのはよく覚えている。当時、この配置転換は、救援投手の層を厚くするために行われていたもの見受けられたが、現地記者の意見ではどうやら違うようだ。

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