10月からは配置転換で巨人の一軍作戦コーチを務める阿部慎之助 (c)朝日新聞社
10月からは配置転換で巨人の一軍作戦コーチを務める阿部慎之助 (c)朝日新聞社

 巨人の“阿部慎之助監督”が誕生するのはいつなのか。

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 二軍監督としての評価も高まり早いタイミングで一軍の指揮官就任を期待する声もあったが、現時点では時期尚早との見方もある。チームが過渡期を迎える中、万全の状態で生え抜きスターの監督を誕生させたい球団の意向も感じられる。

 今季の巨人は後半戦にまさかの大失速でリーグ3連覇を逃した。投打で精彩を欠き、優勝目前のヤクルトはおろか2位の阪神にも大きくゲーム差をつけられた。クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性は高いが、10連敗を喫するなど重要な時期に勝負弱さを露呈した。この体たらくに原辰徳監督の責任を問う声も出始めたが、来季も指揮を執ることが一部マスコミで報じられた。

「3年契約が終わる原監督の去就が注目された。編成面も任された全権監督で昨オフから例年以上に積極的に動いたが、信じられないような低迷。日本シリーズで2年連続4連敗を喫したソフトバンクへのリベンジどころかリーグ制覇も逃した。新監督誕生を望む声もあるが、過渡期の巨人を良い状態にしてから交代したい意向が球団内で強かったらしい。高橋由伸前監督の二の舞は避けたいということ」(巨人担当記者)

 昨オフはエース菅野智之のメジャー移籍問題で去就が定まらずチーム編成が遅れをとった。FAでDeNAから獲得した梶谷隆幸は7月に右手を骨折し、井納翔一は早々と二軍暮らし。外国人もテームズ、スモーク、そして8月に契約したハイネマンも結果を残すことなく退団となった。また日本ハムで不祥事を起こした中田翔を獲得したが戦力とはなってないのが現状。編成面でも実権を握る原監督に対しては、采配とともにファンから疑問の声が上がっている。

 とはいえ、生え抜き選手の成長など明るい話題がないわけではない。昨年9勝を挙げてブレークした戸郷翔征は防御率こそ悪化したが、ここまで昨季と同じ9勝をマーク。松原聖弥は27試合連続安打を記録するなど、リードオフマンに定着しつつある。ほかにも投手では高橋優貴、野手では北村拓己ら今後チームの中心として活躍しそうな顔ぶれがそろってきた印象もある。

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高橋前監督の時代には…