総裁選で論議された森友学園の問題、桜を見る会の問題、河井元法相の1億5千万円問題などの「負の遺産」についてもまったく審議されていない。
「安倍元首相、麻生副総裁、甘利幹事長に頭が上がらない岸田首相の指導力のなさが、静岡の補選敗北の要因の一つではないか。衆院選では強固な指導力が必要です。今の岸田首相にはそれが見えない。演説に人は集まるも心に響かない。衆院選の終盤はより厳しいものになるのではないか」(前出の自民党幹部)
岸田首相は衆院選の勝敗ラインを公示前の自民党勢力(276議席)から大幅減となる「自公で過半数」(233議席)と低めに見積もっている。前出の田村氏は続ける。
「当初は衆院選も楽勝というムードは自民党の仲間から漏れ伝わってきた。そういう小選挙区もあるだろうが、野党が急上昇してびっくりして相談してくる自民の候補者もいる。昔から政治の世界は、一寸先は闇と繰り返し言われる。前回の2017年より激戦区が増えているのも、マスコミ報道などで明らかだ。岸田政権の戦い方いかんでは、すぐに政局となる」
(今西憲之 AERAdot.編集部)