また、在宅酸素療法、胃ろうなどの経管栄養法など各種の特別な在宅治療をおこなっている場合には、その指導や管理、処置、機器レンタルの費用(各種の在宅療養指導管理料)が月ごとに加わります。
ほかに、薬代、医療材料料、検査料などが加わることがあります。薬については、診療の際に使用した注射薬などの費用は医療機関に支払い、薬局から受け取る処方薬の費用は、薬局に支払います。
訪問看護の費用は、滞在時間に応じ1回ごとに設定されており、回数分の費用がかかります。
また、訪問診療を受けている人では、介護保険サービスを受けていることが多く、その自己負担分の費用も発生します。
状態が安定している場合は、訪問診療や訪問看護の回数は多くならず、費用負担も比較的軽くて済みます。病状によっては、医療処置などが増え、それに応じて費用も多くかかることを理解しておきましょう。
病状が安定している場合でも、ときには発熱など具合が悪くなることがあります。そのようなときには、在宅医に24時間いつでも往診を依頼することができます。
往診1回の費用は、通常の時間帯であれば定期的な訪問診療と同程度ですが、夜間や休日、深夜になると通常時間帯より高くなります。往診1回あたり、1割負担で約700~約3400円と幅があり、場合によっては負担が大きくなるかもしれません。
医師に電話で相談することも可能で、電話で療養上のアドバイスを得た場合は、電話再診料がいくらかかかります。
例えば、自宅で月に2回の訪問診療と、毎週1回(月4回)の訪問看護(介護保険の訪問看護サービスを1回20分未満)を受けた場合の基本となる費用は、1割負担で月に約8200円です(訪問診療に付随して発生するものも含む)。訪問診療の回数がこれより少なく月に1回になると、在宅時医学総合管理料の額が下がるので、約6300円になります。これに、特別な治療の費用、薬や検査の費用などが加わります。