広報対応にも全面的に協力する。茂木氏は自身のSNSで積極的に情報発信している。ニューヨークでポンペオ米国務長官や韓国の康京和(カンギョンファ)外相、中国の王毅(ワンイー)外相と会談したことを、2019年9月27日に相次いでツイッターとフェイスブックに投稿。外相としての成果をアピールした。
内部資料によると、情報発信では広報担当者らが文章を考え、写真なども茂木氏と相談して決めているとされる。外交などでは微妙な表現も問題になるだけに、官僚の手を借りるのは当然のことかもしれない。ただ、自身のツイッターやフェイスブックには、選挙応援といった公務以外のこともこれまで掲載されている。公務との区別が難しい状況も考えられ、官僚をどこまで関与させるべきか問われそうだ。
このような“超忖度トリセツ”ともいえるものができたわけをあるベテラン国会議員秘書はこう解説する。
「優秀な人にありがちですが、自分より能力が劣っている方に対する発言が厳しすぎる。秘書や官僚らに求める能力が高すぎて、そこに達していない人たちにはこと細かく言ってしまうのでしょう。そういうこともあって、パワハラだともうわさされてしまう。本人はそんな自覚なんてなくて、当然の要求をしているだけだと思っているんじゃないでしょうか。各省庁の秘書課の人たちはどの大臣に対してもすごく配慮しますが、その後の対応は大臣の人間性によって違ってくる。対応が怖いとマニュアルが細かくなり、忖度度も高まるのだと思います」
茂木氏を巡っては、パワハラのような言動があるとの指摘や報道がこれまでもなされてきた。記者や秘書らにくってかかる場面も目撃されている。外務省関係者はこう嘆く。
「大臣のサポートのために必要な人数は増えています。怒鳴られるんじゃないかと戦々恐々としている職員もいる。省内でも大臣に関係する発言は、できるだけ控えるようになっています」
同じ竹下派の幹部も苦言を呈する。