フィギュアスケートのグランプリシリーズが10月22日に開幕し、アメリカ・ラスベガスで初戦が行われた。来年2月に北京五輪を控えた今シーズンの注目株はどの選手なのか。AERA 2021年11月8日号では、各選手たちのスケートアメリカでの活躍を取材した。
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男子5位だった平昌五輪の後、無敗を誇っていたネーサン・チェン(22)=米国=を破って優勝したのはビンセント・ゾウ(21)=米国=だった。SP1位で迎えたフリーでは4回転を5本投入。大きなミスなく終え、合計295.56点でGPシリーズ初優勝を飾った。
昨季終了時点ではチェンと羽生結弦(26)、宇野昌磨(23)、鍵山優真(18)の日本勢が北京五輪の覇権を争う候補に挙がっていたが、ゾウも今大会で名乗り出た形だ。次戦はNHK杯。羽生、宇野が直接顔を合わせる。
■忘れられない経験に
忘れてはいけないのが、4位に入った佐藤駿(17)だ。21日の公式練習で左肩を負傷した。一時は棄権も考えたというが、
「練習したことを無駄にするわけにいかない。覚悟を決めた」
とリンクに上がった。
強行出場が正しかったのかどうかは、今後の状況をみなければわからない。ただ、佐藤のスケート人生の中で、この大会の経験は忘れられないものになったはずだ。次はフランス杯に同学年のライバル、鍵山とともに出場する。