
そこで安藤が試みたのが、全国各地へのお湯の出る自動販売機の設置。さらに、銀座の歩行者天国での試食販売。1日2万食を記録したこともあったという。そして、決定打となったのが、72年2月に発生した、連合赤軍による「あさま山荘事件」の中継だった。寒空の下、機動隊員たちがカップヌードルを食べる姿が日本中が見守るテレビ中継で映し出されたことが、期せずして多くの人の購買意欲を駆り立てることになったという。
72年に初のバリエーション商品となる「カップヌードル 天そば」、73年には「カップヌードルカレー」が発売。現在は「カップヌードル」「カレー」「チリトマトヌードル」「シーフードヌードル」「欧風チーズカレー」「しお」「味噌」「旨辛豚骨」の8種に、今年発売の新商品「辛麺」を加えた9種が「定番」ラインアップとなっている。
「今でこそ味噌や塩味はありますが、ラーメンの定番である醤油、味噌、塩でない、カレーやチリトマトという独自の味を作り上げ定着させていったところもシリーズのすごさです」(大山さん)

◆フタ部分に画像 お宝として注目
定番商品をのぞく昭和の売り上げナンバーワンを記録した「カップヌードル ポークチャウダーヌードル」や同じく平成ナンバーワンの「カップヌードル ブタホタテドリ」、ほかにも「ビアンコ」「麻婆」「ミルクカレー」……等々、さまざまな味のカップヌードルがこの世に誕生した。
50周年を迎えた9月には“カレーとシーフード”“チリトマトと欧風チーズカレー”など、定番の味を合体させた商品「カップヌードル スーパー合体シリーズ」が4種発売。日清食品の広報担当者によると、
「4品同時発売でありながら、すべて過去の大ヒット商品と同等の売れ行きをみせ、通常1~2カ月分とされる在庫が2週間でなくなりました」
カップヌードルシリーズが多くのバリエーションを生み出し続けることについて、大山さんは、
「他の商品にも共通することですが、バリエーション展開は、本体を思い出してまた食べてもらうという役割もあります」
と語る。印象的な商品としてあげるのが99年発売の「スケルトン」だ。