丸山茂樹
丸山茂樹
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 プロゴルファーの丸山茂樹さんが、最近行われた注目の試合や選手を紹介する。

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 国内男子ツアーの「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」(10月27~30日、茨城・PGM石岡GC)で、星野陸也(26)がツアー6勝目を挙げました。「プロになって一番の目標だった」という地元茨城での優勝に、男泣きでしたね。

 僕も千葉で初めて優勝したとき、うれしかったですもんね。陸也ほど感情表現はしなかったけど。ハハハ。気持ちは分かります。地元の人たちに支えられてたと思うんで、ひときわうれしかったんでしょう。

 テレビの解説をさせてもらいましたけど、最終日はほんとにいいリズムで、圧巻の内容でした。16番パー5ではバンカーからのチップインイーグルで勝負あり。18番で歩きながら、もう泣きそうになり、最後のパーパットは涙をこらえて打ったそうです。

 自分の中で相当の手応えがあったみたいですね。そう感じたときにしっかりいい結果を出せるというのが、彼の成長した部分でしょう。

 昔はアプローチだったりパッティングだったり、抱えてた不安が試合で顔をのぞかせた。肝心なところで左に引っかけたりとか。多くの失敗がのちに成功につながるというケースだと思うんですけど、それがここ数年、優勝できている要因の一つだと思います。

 とくに今年は茨城での試合が2位と6位と7位でしたから、届きそうで届かないもどかしさもあった。こうして地元で勝ったのは、彼のこれからにつながってくるはずです。狙った試合で勝ったってことですから、これは大きな自信になる。

 先日の日本オープンで勝った蝉川泰果(東北福祉大4年)が、10月31日にプロ宣言しました。いいタイミングだと思いますよ。アメリカの大学生だったら、1、2年生のときにああいう成績を出したら、すぐにターンしますから。そこはもう迷いなくいった方がいいと思います。

 日本オープンの優勝で5年シードが手に入ってるのが強みです。自分の計画で物事を進められますから。その5年間でどう世界に向かっての地固めをするかっていうのが、彼のゴルフ人生を左右するでしょう。

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