(寺井)ということは、僕も株で50億円の天才「テスタ・コース」に乗れるんかな?(顔が輝く)
(テスタ)僕は特別な天才とかではないですよ。実際、自分の取引全体で見ると6割、7割しか勝っていません。つまり3割、4割は負けてるってことです。でも負けて損切り(損を覚悟で売却)したあとも期待値がプラスなら、また買います。6割、7割、勝ち続けていくことで、トータルではプラスになる。その発想自体はパチスロと一緒です。
(寺井)「これは鉄板(かなりの確率で勝つ)やろ」という状況もあったりするんですか?
(テスタ)たとえば2021年は日本郵船や商船三井など海運株の業績が、コロナ禍によるコンテナ船運賃の高騰ですごくよかったんですね。1年前に比べて最終的な利益が7~8倍に増えたので、海運会社は軒並み、株主に払う配当金を大きく増やす発表をしたんです。
「配当金がこんなにアップしたから、この会社の株価は2倍になってもおかしくない」という、僕からすれば、まさに鉄板の場面でした。
いざ株を買おうとすると、すでに株価は10%上昇していた。でも2倍になる(株価2倍をパーセントで表すと、100%上昇)という期待値の株がまだ10%しか上昇していないなら、今から90%分の上昇で儲けられる確率が高いと考える。
だったら、とりあえず買いますよね。あのときは海運株を20億円分買って、10億円くらい利益を出せました。
(寺井)じゅっ、10億円! この話って、投資家全員がその状況に気づいて、みんなが株を買っても、全員が儲かるんですかね?
(テスタ)大きな材料が出たとしても、すぐ気づく人と、遅れて気づく人がいる。株って基本はジワジワ上がっていくものです。
あとから参入した人のほうが高い株価で買うことになりますが、20%上がったところで気づいても、まだ80%は儲かる可能性がある。30%でも残り70%。「まだ上がる」と思って買う人がたくさんいれば、買った人全員に含み益が出ているという状況も起こりえます。
(寺井)パチスロでも似たような状況があります。「全台系」といって、あるパチスロの機種や台が置かれている列がすべて大当たりしやすい設定になっていることが、たまに。
そのことに最初に気づいた人が友達なんかを呼んで高設定の台を全部占領したら、その「軍団」は全員プラスになります。