AERA Money 2022秋冬号
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テスタ)株にもパチスロにも向き不向きはありますよね。

(寺井)もしテスタさんが「自分は株取引にめちゃくちゃ向いてる」って気がついていなかったら、パチスロに通い続けて、負けていた可能性もあるってことですか?

(テスタ)それはそうですよ。僕には株が向いていたってことです。スポーツとかもそうじゃないですか。野球で成功している人が必ず相撲でも勝てるわけじゃないし。ただ、株には夢があると思うんですよ。

 スポーツ選手って20代までに頭角を現していないと、トップクラスに入るのは(一般的に)難しいじゃないですか。株なら30代を過ぎてからでも大金を手に入れられる可能性があります。そんなジャンルは、なかなかない。

(寺井)テスタさんは「満員電車に揺られている会社員を見て、こんな感じで毎日働くのは嫌だなって思ったから株をはじめた」って聞きました。

 僕もそう思ったことがあります。そのとき自分が没頭していたのがパチスロで。パチスロ関連のライターからはじまって、それがパチスロ系ユーチューバーに移行していった感じ。

(テスタ)それが今や冠番組を持つ人気者になった、と。

(寺井)でも、僕がそのときパチスロじゃなく株に興味を持っていたら、株で億万長者になれたかもしれないわけですよね。あ~もう、分岐点、間違えたぁ!

(テスタ)いや、寺井さんはパチスロ界のエンターテイナーとして、ファンに笑いを届けるのが使命。

(寺井)パチスロで50億円稼ぐのは絶対に無理ですからね。50億円を達成するには、パチンコ店を経営する側に回らないと(笑)。

 パチスロをやる人が目指すのは「マンマイ」(1万枚=1日で約20万円)がせいぜい。パチスロ専業の人でも、月100万円いくかいかないか。しかもパチスロ業界は今、規制でがんじがらめですし。

(テスタ)あっ、寺井さん、パチスロの台を作っているメーカーさんは株を上場してますよ。平和やセガサミーホールディングス、ユニバーサルエンターテインメント。

(寺井)その会社、知ってます! 自分の好きな分野の株ならある程度は先読みもできそう? 僕なんかにもパチスロ業界のニュースは聞こえてきます。

 たとえばこの11月末からメダルを電子情報化した「スマートパチスロ(スマスロ)」が導入される予定なんですけど、この先、スマスロの普及でこの企業が盛り上がるかもしれない––––。って先を見越して株を買ったら、ぐっと伸びたりして? 

(テスタ)むちゃくちゃいい発想。僕の株のスタートは、まさにそんな感じでした。パチスロは国の規制が変化するたびに、規制に対応した機種への入れ替えが進みます。

 僕がパチスロをしていたときは、ちょうど4号機から5号機に切り替わる時期でした。5号機の規則変更を見たとき、「うわっ、これは厳しくなるな」と思った。

 ただ、その規則変更の中に「5号機に完全に切り替わる前の移行措置として、3年以内は4号機を『みなし機器』として設置してもいい」という一文を見つけたんです。「これは4号機が人気になるな」と。

(寺井)まさか4号機に強いメーカーを調べた?

(テスタ)はい。4号機のストックの数がダントツに多かったセガサミーホールディングスの株を買ったら、200万円ぐらい利益が出ました。

 その200万円と貯金を軍資金に、株の専業トレーダーになると決めたんですよ。こんな感じで、まずは自分が好きな分野の株を調べるのがおすすめ。

(編集部)勝つ話も楽しいんですが、負けた話も聞きたいです。

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負けると「二度とやらない」って思うのに翌日行く