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 作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが9日、死去した。99歳だった。寂聴さんは、これまでに400冊以上の本を出版。ベストセラー作家として駆け抜けた一方で、その恋愛は波乱万丈だった。

【写真】これは貴重!剃髪前の若かりし頃の瀬戸内さんの一枚

 20歳で最初の夫と見合い結婚。5年後、年下の男性との恋愛に奔走した。そして、作家の井上光晴との道ならぬ恋を終わらせようと、51歳で出家を選ぶ。

 寂聴さんは、本誌(AERA)に出家が人生最大の「捨てること」だったと振り返り、こうつづっていた。

 そして、「捨てて後悔したもの」については、こうも明かしていた。

 人間はなぜ、多くのものを持ちたがるのか。過剰な欲は、なぜ生まれるのか。当時91歳だった寂聴さんが明かした「捨てる哲学」とは。

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 人間は生まれてきたときから欲の塊。より良い豊かな暮らしをしたい、よりいい相手に巡り合いたいと、欲や煩悩が尽きないのは当たり前。それを捨てたら、穏やかな日常を送ることはできるかもしれないけれど、豊かな人生だとは言えないわね。

 だから、捨てられないのは、人間だからとしか言いようがない。

 だれかを愛するということにしても、無償の愛というのはなかなかないもの。無私を装いながら、根底では、相手に尽くしたい自分の欲を満たしているのに過ぎない。親から子どもへの愛も、期待にこたえてくれないと怒りに変わったり、なんらかの将来の見返りを期待していたり。でも、そんな欲深い人間だからこそ、それも含めていじらしい存在なの。

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欲がコントロールできなくなった