
国内株式に直接投資する場合にも、有利な「NISA」という制度が用意されている。年120万円ずつ、5年間にわたって非課税枠が得られ、その範囲内の投資で得た利益が非課税となる。ただ「NISA」は2024年から非課税枠をはじめとする内容が見直される予定だ。あらかじめ、その点を念頭に置いておきたい。
■口座開設はタダ 習うより慣れろ
後回しになったが、最も肝心なネット証券の利用法について説明しておこう。現在、大手ネット証券と呼ばれているのは、SBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券、auカブコム証券の5社。各社ともホームページ上で口座開設の手続きを済ませられ、無事完了すると、口座へのログインに必要なIDやパスワードが提供される。
いずれもパソコンだけでなく、スマートフォンのアプリでも取引できる。わからないことがあればコールセンターが丁寧に対応してくれるので、遠慮なく問い合わせればいい。口座開設は無料なので、まずは最初の一歩を踏み出してみよう。
「とにかく、実際に投資してみることが大切。自分の場合はどの程度の損失が出ても平気なのかは、やってみないとわからないものです。まさに『習うより慣れろ』で、経験を積むうちに、自分の本当のリスク許容度がわかってきます。いきなり大きな失敗を犯さないためにも、まず少額から投資を始めてみるといいでしょう」(同)
ネット証券で投資を始めたものの、パソコンやスマートフォンの操作がどうにも苦手で行き詰まってしまうという人もいるだろう。ひょっとしたら、コールセンターに問い合わせてもピンとこないかもしれない。だが、そんな場合にも「救いの手」は存在している。
SBI証券や楽天証券、マネックス証券は、IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)と提携している。IFAとは、特定の証券会社に属さず、中立的な立場から資産運用のサポートを行う専門家だ。
金融先進国の米国では、IFAを通じて資産運用を行うスタイルが一般化している。IFAに支払う手数料を別途負担することになるものの、そのサポートを受ければ、自分自身でパソコンやスマートフォンの操作をしなくてもネット証券での取引が可能となる。(金融ジャーナリスト・大西洋平)
※週刊朝日 2022年11月18日号