(c)2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会
(c)2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会

■渡辺祥子(映画評論家)

評価:★★★

自然とともに暮らす作家と長年連れ添う夫婦を思わせる編集者。季節の移ろいを感じながら野菜を作り、執筆する生活。素朴に見えて手間のかかる料理。穏やかな人間関係。自然と素朴の意識しすぎになんだか落ち着かない。

■大場正明(映画評論家)

評価:★★★

旬菜を使った土の香りがする料理の数々に癒やされる。子供の頃から死に馴染んでいたと語る主人公が、実際に死にかけて激変するなど、生と死、聖と俗のはざまで揺れる姿に親近感を覚える。フリージャズの使い方が新鮮。

■LiLiCo(映画コメンテーター)

評価:★★★★

地球の恵みをしっかりといただきました。そして3年分の疲れが取れました。あまりにも美しい料理の数々。食との向き合い方もこれで変わりそう。四季を感じながらの生活が憧れ。日本の美が詰まっている癒やしの一本です。

■わたなべりんたろう(映画ライター)

評価:★★★★

四季を繊細に描いていて本当に素晴らしい。料理を作るシーンは匂いが沸き立つように伝わってくる。コロナ禍での孤独をも内包した現代的な作品にもなっていて、今の日本映画に求められている大切なことが幾つもある。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2022年11月18日号