話が少々ややこしくなるのは、ソフトバンクのユーザーだろう。携帯電話ではTポイントが貯められるが、ソフトバンクと系列のヤフーが設立したQR決済のPayPayだと、獲得できるのはPayPayボーナスになる。

 ここでネックとなるのは、二つのポイントは相互交換できないことだ。PayPayボーナスでは、ポイント投資を行えないのも難点といえる(次に説明するポイント運用は可能)。それぞれ還元率アップなどの特典が設けられているものの、ほかのポイント経済圏と比べると複雑な構造となっていることも否めない。

 一方、貯めたポイントに“働いてもらう”ことも考えよう。先に登場した「ポイント運用」と呼ばれるサービスを利用するのだ。

■ポイントで疑似体験

 ポイント運用では、ポイントを現金化しない。このサービスを利用すると、自分が選んだ投資信託などに連動してポイントの残高が増減する。いわば投資を疑似体験できるわけだ。

 序盤で触れた「楽天ポイント利息」が所定の利息を着実に受け取れるのに対し、ポイント運用は投資対象の値動き次第で、より大きな成果を期待できる。現時点でこのサービスを実施しているのは、楽天ポイントとPontaポイント(auPAYポイント運用)、dポイント、PayPayボーナス、永久不滅ポイント(セゾンカード)、エポスポイント(丸井)の六つだ。

 ポイント投資について、楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子さんがこう助言する。

「毎月1万ポイント以上を獲得する人もいますが、そこまで達しない人も少なくないはずです。自己資金にポイント分を充当させる方法で、より効果的な積み立て投資を始めるのが基本でしょう」

 身銭も惜しむべからずか。(金融ジャーナリスト・大西洋平)

AERA 2021年11月22日号より抜粋

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