結成間もない2016年のかが屋のふたり。小説を出した加賀翔(左)は岡山備前市出身
結成間もない2016年のかが屋のふたり。小説を出した加賀翔(左)は岡山備前市出身

 彼らが岡山芸人として注目される機会が少ないのは、テレビ出演時などの人前ではほとんど方言を使わないからだろう。そもそも関西人以外の人は、他地域の人と話すときにあまり積極的に方言を使おうとしない傾向がある。岡山の人もそれに当てはまるのだろう。あえて岡山弁を自分たちの武器にした千鳥は、珍しいケースだったからこそ目立つことができたのだ。

 岡山は関西地方に近いが、関西の文化とは微妙に距離を置いているところがある。気候も温暖で暮らしやすいと言われていて、どこかのんびりした雰囲気もある。笑いの聖地である大阪に対して、地理的に遠くはないが程よい距離を保っているところが、芸人が育つ土壌としてはちょうどいいのかもしれない。

 お笑い界は今も東京と大阪を中心に回っている。そこで使われる公用語も99%が標準語と関西弁である。そんな中で、千鳥の躍進によって岡山に光が当たり始めた。今後は岡山芸人がもっと増えていくかもしれない。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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