また、「僕がこの企画を受けたのは格闘技を盛り上げたいから。誰一人この企画をやりたい格闘家はいない。格闘技を盛り上げるために一肌脱ぐかって言う感じでやっているわけで、別におれも弱い者いじめをしたいわけではない」と説明。自身と挑戦者全員はマウスピースを装着し、安全面を最大限に考慮していたことを明かした。「レジから棚から、すべてが発泡スチロールなんですよ。ベンチもそう。芝生もめっちゃ分厚い芝生で、1人目の人で言うと。2人目の後藤さんのときは全部が発泡スチロールでできていて、下も床に見えるけど、格闘技用のマットにスプレーで地面ぽくしているだけでちゃんとマットなんですよ」と挑戦者を倒す際には発泡スチロールのセットに向けて投げていたという。一方で、「結果として(後藤さんは)歯が折れたみたいで、1人目の子(久保田覚さん)も鼻折れたとか。でも、さすがにそれくらいの覚悟は持ってきているでしょ」と振り返った。

 格闘技ライターは朝倉に同情的な見方を示す。

「戦った場所のベンチなどが発泡スチロールだったことは、ABEMAが番組終了後に発表するべきだったと思います。朝倉さんは素人に対して大けがをさせてもいけないし、手加減しすぎても視聴者に見抜かれる。難しい立ち回りだったと思います。ただ個人的にはこの企画が格闘技を盛り上げるのに一役買ったかというと疑問が残ります。格闘技とストリートファイトは別物ですし、番組で『ケンカ』が放送されるという事に抵抗を感じました。本来は犯罪行為ですからね。ストリートファイトで圧倒するのがかっこいいと感じる若者もいるでしょうし、今後すべき企画ではないと思います」

 朝倉が格闘家と真剣勝負で輝いている姿を見たいと願うファンが多いはずだ(江口顕吾)

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