西武ドラ1隅田知一郎(西日本工大)の獲得は来季以降に好材料となるか
西武ドラ1隅田知一郎(西日本工大)の獲得は来季以降に好材料となるか

 もうひとつ気になるのが固定できない捕手である。今年も2018年以降、100試合以上出場した捕手はおらず、今年も伊藤光、戸柱恭孝、山本祐大、嶺井博希の4人が日替わりでマスクをかぶる状態が続いた。正捕手を固定せず、併用することも1つの方法ではあるが、さすがにこれだけ流動的な状況が続くのは望ましくなく、投手陣が苦しんでいる要因の1つとも言える。二軍では益子京右に成長の兆しが見られているだけに、思い切った抜擢も検討したいところだ。

 一方パ・リーグで42年ぶりの最下位に沈んだ西武も明るい材料は少なくない。ここ数年は投手が課題と言われ続けているが、先発陣は高橋光成、今井達也、松本航の3人が揃って規定投球回数をクリア。高橋と松本は二桁勝利もマークしている。若手も22歳の平良海馬がブルペン陣の柱へと成長し、21歳の渡辺勇太朗も4勝をマークするなどブレイクの兆しを見せた。さらにドラフトでは隅田知一郎(西日本工大)、佐藤隼輔(筑波大)と大学球界を代表するサウスポー2人の獲得に成功。彼らが揃って順調に成長すれば、今季以上の投手成績となる可能性は高い。

 野手陣は主砲の山川穂高が過去2年間低迷し、中村剛也、栗山巧の両ベテランに頼るところが多いのは大きな課題だが、こちらも楽しみな若手は多い。若林楽人は5月末に膝の怪我で長期離脱となったもののそれまでは盗塁王レースを独走する活躍を見せており、渡部健人、ブランドンの大砲候補2人も二軍ではともに二桁本塁打を放つなどルーキーとしては十分な活躍を見せている。岸潤一郎と愛斗も一軍で結果を残し始めており、世代交代の機運は確実に高まっている。数年後には新たな山賊打線誕生も期待できそうだ。

 来季に限って言えば、大きなポイントとなるのは外国人選手である。今季在籍した5人の外国人選手全員が退団となり(メヒアはシーズン中の7月に退団)、来季は完全に新しい顔ぶれでのスタートとなる。先日1人目の新外国人としてサウスポーのエンス獲得を発表したが、不足しているリリーフ投手を中心にさらなる積極的な補強が必要である。退団したニール、ギャレットの1年目のような成績を残せる選手が加わるかどうかで、チームの成績は大きく左右されるだろう。

暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう
次のページ
両チーム優勝の可能性はある?