野球の現場を離れ16年から株式会社エヌエスアイ まちづくりスポーツ事業部へ転職。スポーツに関わるイベントや活性化活動をサポートして地元を盛り上げている。また通常業務と並行してマックとタッグを組んだ『株式会社マックブランド』を起ち上げた。マックの知名度、人脈などを生かしてアスリートや子どもたちへ爪ケアの重要性を発信する。結果的に新潟の素晴らしさや名産品を多くの人に伝えることにもつながっている。
「NPBでも爪ケアをする選手が増えている。来春にはメジャーのスプリングトレーニングに行き、爪の重要性を伝えたいと計画中です。またマックさんは現在、大阪の履正社スポーツ専門学校で授業をやっていて野球のスキル、コンディショニング、メンタルとともに爪に関しても教えています。授業を教えた生徒が上のカテゴリーに進んだり指導者になった時に爪の重要性がもっと浸透するはず。新潟産爪切りの品質の良さも広く認知される」
「爪に関する文化を変えたい。歯磨きは丁寧に習うしテレビや雑誌で特集が組まれることもある。電動歯ブラシもあるし歯ブラシは1人1個が常識。でも爪切りに関して同じようなことはないし家族で1個使用する場合がほとんど。コロナ禍もあり衛生面への注目も高まっている。爪切り(=ニッパーとヤスリ)を1人1セット持つようになって欲しい。ヨーロッパには爪切り屋が散髪屋と同じくらいいる。髪と同じで爪は専門家に任せる文化がある。時間がかかると思いますが、それに近くなって行けば良いなと思います」
爪は身体の一番端にある小さな部分なので、これまでは見逃されがちだった。しかし適切なケアが暮らしやアスリートのパフォーマンスを変えることは間違いない。中山氏が新潟から地道に広げている活動は今後、世界的にも広がっていくはずだ。「たかが爪、されど爪」である。(文・山岡則夫)
●プロフィール
山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。