AERA 2021年12月6日号より
AERA 2021年12月6日号より

 その上で誰が代表になるかは全く分からない。順当に考えれば党内最大派閥のサンクチュアリが推す逢坂氏が有利だと言われている。事実上の枝野氏後継だ。北海道ニセコ町長を経て政界入り。町長時代から書き続けているブログは毎朝6時に更新される。同僚議員の間では「とにかく実直で実務能力にたける」と評判だ。しかし、代表選に向けてはキャラが「枝野氏とかぶる」という声もある。

「枝野さんは官房長官のポストで一躍有名になった人。とにかく真面目で内政向き。17年の結党時は“枝野立て”と多くの人の声に推されて代表になったが、本来、先頭に立って党の士気をあげるような立場は苦手。立案能力にたけていることはもちろんだが、どことなく地味な部分も逢坂さんはかぶる。幹事長ポストなら満場一致だろう」(立憲ベテラン議員)

夫をめぐる行動で亀裂

 逢坂氏本人もAERAの取材に「私は年齢的にも枝野さんより上。多くの人がこの選挙に刷新感を求めているのであれば、私は違うだろう」と語った。

 唯一の女性候補者として期待を集める西村氏。立憲の女性を代表するといえば辻元清美前副代表だったが、総選挙で落選。ジェンダー平等や選択的夫婦別姓を政権公約に掲げる政党として女性候補を擁立しなければ、という声に推されての立候補だ。民主党時代から一貫して平和や人権、ジェンダーなどに取り組んできた。しかし、リベラルの思想を体現する立憲の1期生でありながら、枝野氏ら前執行部の名前が推薦人にないのはなぜか。同党の会合で「14歳の子と同意した性交で逮捕されるのはおかしい」と発言し、党の正式な処分が出る前に離党した夫の本多平直前議員をめぐって執行部との間に修復しがたい亀裂があると、西村氏をよく知る同僚議員は証言する。

「執行部が決定した処分を撤回する嘆願書を、同僚に配布したことが問題視された。その理由はどうあれ、組織の決定を私情で覆そうとしたことで執行部の怒りを買った。立憲を支持する女性の間でも賛否がある」

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