
僕が16歳で笑福亭鶴光師匠に弟子入りする時に書いた曲があるんです。当時は友達同士で曲を作って聞かせ合ったりもしていて、そのうちの一曲でした。
「今から僕が進む道は大変な道だけど、お父さん、お母さん赦してください。一歩を踏み出した以上は芽を出して大木になるまで進み続けます」。内容的にはそんな曲でした。
僕にしたら珍しいことに(笑)、道徳的な歌なんですけど、ことあるごとに母親はその歌のことを言っていて、原稿用紙にも歌詞を書いてたんです。よっぽど気に入ってくれてたんでしょうし、心に刺さってたんやなと。
もう父親も母親もいなくなりましたけど、書いた以上はそうなるようにやっていかないとアカンし、ここからはより一層、それをやるしかないんやろうなと。
……すんません、何かエエ話になってしましましたね(笑)。でも、本当に思ったことをつづったわけやし、なんとかその思いを具現化できるよう、僕なりにやっていきたいと思います。
■嘉門タツオ(かもん・たつお)
1959年3月25日生まれ。大阪府出身。70年大阪万博に魅了された小学生時代を経験。中学生になりMBSラジオ「ヤングタウン」と出会い、高校在学中の75年に当時レギュラーを務めていた笑福亭鶴光に弟子入り。笑光として「ヤングタウン」のレギュラー出演を果たすも80年に破門。「サザンオールスターズ」桑田佳祐と出会って“嘉門達夫”の名をもらい、再デビューする。83年に「ヤンキーの兄ちゃんのうた」でレコードデビューしYTV全日本有線放送大賞新人賞など受賞多数。現在は「嘉門タツオ」と名を改め、FMヨコハマ「Come On!カモン!モーニング」でラジオパーソナリティーも務める傍ら、テレビ出演、執筆、YouTubeなど活動の場を広げている。日本館PRアンバサダーを務める「ドバイ万博」で12月11日に現地で歌唱披露。12月29日から年末年始ライブ「嘉門タツオLIVE!2021~2022 今の世の中オカシイんちゃうの!?」を大阪、東京、名古屋で開催する。