橋田壽賀子さん
橋田壽賀子さん

「私は安楽死で逝きたい」というエッセーが話題になった脚本家の橋田壽賀子さん(故人)と対談させていただいた時、橋田さんは「仕事がなくなったら、生きていてもしょうがない」とおっしゃいました。橋田さんの言葉はLGBTに対する杉田水脈衆院議員の「生産性」発言ともつながります。生きがいがなくなったら、社会に貢献できなくなったら、生きている価値はないのでしょうか。橋田さんご自身は安楽死なさらずにすんで、私はほっとしています。

 私の講演会で、質疑の時に「この年齢になっても私は社会貢献をして前向きに生きています」という趣旨の発言をするのは決まって男性です。そういう時、私はできるだけゆっくり、はっきりとこう言うことにしています。

「人間、役に立たなきゃ、生きてちゃ、いかんか」

 みなさん、絶句なさいますね。なかには「85歳以上は処分したらいい」とすごいことをおっしゃる方がいたので、年齢をお聞きすると75歳だという。私は「10年経ったら、お考えが変わりますよ」とお答えしました。(本誌・亀井洋志)

週刊朝日  2021年12月2日号

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