伊藤理佐著『ステキな奥さん ぬははっ4』好評発売中!※Amazonで本の詳細を見る
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「うちの母、好きな男の髪形にしちゃうんだよ~」

 と、友人が飲み会でグチっていたのだ。

「石川遼を応援してた時サ、ゴルフの」

 ある日、突然同じ髪形にしてきたんだよ、と。友人は母にのけぞったそうだ。

「桑名正博の時もあってサ」

 セクシャルバイオレットで小学生の参観日に来てさ、目立ってさ、その時ものけぞったそうだ。

「ねえ、なんで好きな男の髪形にしちゃうの!?」

 と。なぜ本人になりたい? どーいう気持ち? と盛り上がってしまい、自分のキムタク話は黙っていた気がする。酒はワインだった気がする。

イラスト:伊藤理佐(本書より)
イラスト:伊藤理佐(本書より)

 なぜ、2021年の1月、それを思い出しているのか。

 年末年始、韓国ドラマ「愛の不時着」にはまって、主役の「ヒョンビン」というカッコイイ俳優さんを見て、同じ髪形にしたから、なのだった。短い。だって「北朝鮮の大尉」の役だもんね。軍人だもんね。なぜ。似合うかも、と思った? 髪質も量も顔も身長も違うのに、どうしてわたしは。

『なぜわたしはカッコイイと思った男と同じ髪形にするのか』

 って本があったら買う。来年は、

「カッコイイ男と同じ髪形にしない」

 と書き初めする。今年もどうぞよろしくお願いします。

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