このように筒香の打力に期待を寄せる地元メディアは他にも多く、彼らはこの再契約を歓迎している。
その一方で、前述のモランの放出について、現地からは驚きの声も上がっている。著者は、パイレーツの専門メディア『バックス・ダグアウト』のジェイク・スルボドニック記者に取材し、筒香の再契約について意見を求めた。すると同記者は、筒香の再契約を歓迎する一方で、「モランがDFAになったことにはショックを受けました」という正直な感想を述べた。
同記者は、今季打率.258と一定の成績を残したモランは、来季も残留するだろうと予想していた。だからこそ、モランの放出に大きな衝撃を受けたそうだ。しかし、同記者はパイレーツがモランよりも筒香を選んだことについて、次のように分析している。
「ヨシは(モランに比べ)良い点がたくさんあります。パワーがあり、複数のポジションに就くことが出来て、さらに走力も高いです。もちろん、(過去同球団にいた)アンドリュー・マカッチェンのような猛烈なスピードはありませんが、ヨシならば、(出塁すれば)二塁からホームまで戻ってこれます。その点では、モランはまったく速くはなかったです」
また、同記者はモランの三振率の高さにも苦言を呈している。
「彼はパイレーツでの4年間で、200以上の三振を残していました。これはどのチームであっても好ましい数字ではありません」
このように、これまでのモランの成績から、その放出に理解を示すスルボドニック記者ではあるが、「(パイレーツは)あと1年モランの様子を見ても良かったのでは」という考えも明かした。
いずれにしても、ライバルの放出は、筒香にとって大きなチャンスになることは間違いない。ただ、現地から指摘されている外野守備については今後どうなるだろうか。スルボドニック記者は、筒香の外野守備について次のような指摘をしている。
「今季の彼には(外野で)エラーにはならないミスプレーがいくつもありました」