「縦に大きく割れるドロップカーブ、縦と横の2種類のスライダーを軸にした投球スタイルで良い時は手も足も出ない。ソフトバンクは先発の軸として稼働したマルティネスが退団したので、武田をトレードで出すことは考えづらいですが、他球団に行けばエースで復活する可能性を秘めた素材です。出血覚悟で欲しい球団は多いでしょう」(スポーツ紙記者)

 野手では俊足巧打が持ち味のDeNA・神里和毅の評価が高い。プロ2年目の19年に自己最多の123試合出場で打率.279、6本塁打、15盗塁をマークするなどリードオフマンとして打線を牽引したが、昨季は88試合出場で打率.191、4本塁打、15打点、4盗塁。中堅のレギュラーを桑原将志に奪われ、楠本泰史、関根大気も台頭している。

 外野の中で神里の序列が下がっているが、走攻守3拍子揃ったプレースタイルでこのまま出場機会が失われるのは惜しい。最下位に沈んだDeNAは投手陣の再建が急務になっている。先発陣は大貫晋一の6勝が最多とコマ不足が深刻だ。神里をトレードで放出して、先発要員を補強する可能性は十分考えられる。

 楽天から巨人に加入したウィーラー、高梨雄平が新天地で輝きを取り戻したように、トレードで野球人生が大きく変わる可能性がある。今オフに野球ファンが驚くトレードが成立するかもしれない。(安西憲春)

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