11月、ロシアで開催されたGPシリーズ最終戦では、観客から大きな声援が飛んでいた。客席の様子を見る限り、感染対策は緩やかだったようだ。試合後には、各国の選手が、観光や食事を楽しんでいる写真をSNSで公開している。厳格なバブルシステムを敷き、選手たちがホテルの窓からの写真ばかりをアップしていた日本のNHK杯の様子とは対照的だった。
チケットを販売したチケットぴあは今回、「5000名程度の入場を見越していました」(広報担当者)。会場の公称収容人数に対しては50%だが、リンクの敷設などでスペースを使うこともあり、席を間引く予定はなかったという。
グランプリファイナルから12月23日の全日本選手権の開幕までは中10日と間隔も短い。選手や関係者、観客も含めた安全を考えると、中止措置がやむを得ないことは、ファンも理解しているだろう。
鍵山優真は、中止の発表後すぐにSNSで「全日本選手権に向けて頑張ります!」と決意表明。力強く前を向いた。
たとえ試合が中止となっても、ここまで積み上げてきた努力が、選手たちへプラスをもたらすと信じたい。
(菱守葵)
※週刊朝日オンライン限定記事