
■佳子さまは強力な味方
眞子さんの公務の熱心さを、秋篠宮さまが皇籍離脱後に語る。とてもよいことだったが、もし眞子さん自らがリアルタイムで発信していれば、と思う。そうすればもっと国民に浸透し、世の中の反応も違った可能性はあるだろう。ただでさえコロナ禍で、皇室の活動は国民から遠くなっている。今こそ、皇族による直接&積極的な情報発信に踏み出す時だと思う。
だから、秋篠宮さま。と急に呼びかけてしまうのだが、「秋篠宮さまには強力な味方がいます」と伝えたい気持ちでいっぱいだ。それは佳子さま。佳子さまの会見スタイルは、秋篠宮さまの系譜なのだ。語ったのは成年にあたっての会見(14年)と、大学卒業にあたっての文書回答(19年)の2度だけだが、その率直さに感動させられた。
中で私の一推しは、自身の結婚についての19年の回答だ。
「時期については、遅過ぎずできれば良いと考えております。理想の男性像については、以前もお答えしていますが、一緒にいて落ち着ける方が良いと考えております。相手がいるかについてですが、このような事柄に関する質問は、今後も含めお答えするつもりはございません」
私なりに翻訳するなら、「何度聞かれても同じ答えです。プライバシーは絶対に明かしません」になる。いいぞ、佳子さま。
「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」という有名な台詞にも続きがある。「姉の件に限らず、以前から私が感じていたことですが、メディア等の情報を受け止める際に、情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だと思っています」
これはもう、秋篠宮さまの問題意識そのものだ。秋篠宮さまと佳子さまとなら、情報発信の道筋がすぐに見えてくるはずだ。
さて、再び会見だ。秋篠宮さまの表情が緩んだのは、眞子さんとの思い出を語った時だった。マダガスカルへの旅を一番の思い出とし、「数カ月前にもたまたまその話が出て、楽しかったねという話をしました」。そう語る秋篠宮さまのほほ笑み。眞子さんも見てたらいいな、と思っている。(コラムニスト・矢部万紀子)
※AERA 2021年12月13日号より抜粋