普段から、自分なりに「このニュースが出たら為替はどう動くかな」という観察眼を磨くことも勧めてくれた。
YSさんは、世界の経済ニュースや政治家の言動などを見て売買計画を立てるタイプだ。
「時の米国大統領や中央銀行トップの発言などに注目して、『この人はこんなことをしたいんじゃないのか』と自分なりに考えます。次に、『だったら為替レートは、こんな動きをするかも』と予想しつつ値動きを観察します。
ある程度、経済ニュースと為替レートの関係性がつかめたら、『世界中の投資家はこの場面で買いたいのかな、売りたいのかな』という投資家の心理状態を読む練習をしました。観察、予想、その結果を検証。何度も繰り返しました」
■FXで学んだ経済が仕事にも役立った
YSさん自身が頻繁に成功したのは、トランプ大統領時代の米ドル/円のレンジ相場だ。トランプ氏の発言などをきっかけに米ドルが一定の高値と安値の間で上下動を繰り返す様子を観察し、いわゆる「ボックス作戦」で稼いだ。
「レンジの下限で買って上限で売る、という時間軸の短い取引を繰り返して利益を積み上げていきました」
まずは初心者も、「為替に必要な情報を観察する」ことからはじめてほしい。YSさんが、FXでビギナーも必ず見てほしい経済指標を4つ教えてくれた。
現在、YSさんはFXから米国株メインの投資に切り替えたが、今でも為替相場は観察している。
「仕事でお会いする会社経営者の方は投資にも詳しいので、FXの知識があると話が盛り上がります。世界経済を毎日見ていると知識や視野も広がり、一石二鳥です」
◎YS(わい・えす)/32歳、会社員。27歳からはじめたFXでトレードを重ね、4年後の31歳で資産1億円を達成。今は米国株投資にシフトし、年間配当収入は500万円。メルマガ「YSの投資羅針盤」を配信。ツイッターは@satton0723
(取材・文/新藤良太 編集/中島晶子)
※『AERA Money 2021秋号』から抜粋