阪神・エドワーズ(左)と広島・メヒア(写真提供・阪神タイガース/広島東洋カープ)
阪神・エドワーズ(左)と広島・メヒア(写真提供・阪神タイガース/広島東洋カープ)
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 プロ野球もストーブリーグに突入したが、フリーエージェントで他球団と交渉しているのは又吉克樹(中日)のみと、少し静かなスタートとなっている。広島、西武ヤクルト日本ハムなどは既に新外国人の獲得を発表しているが、メジャーリーグでは労使交渉の決裂によって選手と球団の移籍交渉もストップしており、その影響でNPB球団も外国人選手の獲得が難しくなっているのが現状だ。

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 そうなると注目されるのが今年まで日本でプレーしていた外国人選手ではないだろうか。12月2日には自由契約となった選手の一覧が公示されたが、その中から他球団が獲得を検討しても面白い選手をピックアップしてみたいと思う。

 投手でまだまだ余力が感じられるのがリリーフ右腕のヒギンス(前オリックス)だ。来日1年目の昨年は41試合に登板して19ホールド、2年目の今年は49試合に登板して2セーブ、28ホールドをマークし、防御率も2点台中盤とまずまずの数字を残している。ブレーキのあるチェンジアップという必殺の変化球があり、打者の目線をずらすカーブも面白いボールだ。単調になってストレートを痛打されるシーンも目立ったが、コンスタントに150キロ台をマークするスピードがあるため、組み立てを工夫すればまだまだ安定感がアップする可能性はある。2年続けて成績を残しているというのは大きなプラス材料であり、ブルペン陣が苦しい球団は獲得を検討しても面白いのではないだろうか。

 投手でもう1人面白いのが同じリリーフ投手のエドワーズ(前阪神)だ。昨年は23試合に登板して12ホールドをマーク。今年は一軍でわずか7試合の登板に終わったが、外国人枠の都合によるところが大きかったように見える。二軍での成績を見ても27試合に登板して防御率は2点台後半ながらイニング数を上回る奪三振を記録し、WHIP(1イニングあたりの被安打数+与四球数)も0.94と見事な数字を残している。コンスタントに150キロを超えるストレートは数字に見合う勢いがあり、空振りをとれる球質というのが大きな魅力だ。縦のスライダーも決め球としても有効である。ストレートの力が落ちていないようであれば、獲得を検討する余地は十分にありそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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