■人はそれぞれ違う前提

 テーマは本部が提示した「SDGs」や「介護」「育児」などから選んでもよいし、部署ごとに自由に設定してもよい。相手を否定するのは厳禁だ。

 11月25日、東京都立川市内の東京西支社で行われた「コミュニケーション4」をのぞかせてもらった。テーブルを囲んだのは中堅職員の女性たち。4人は「今行きたい旅行先」や「最近のマイブーム」など、ルーレット形式で決まるテーマで次々にトークを展開。会話と笑い声が途切れることがない。短時間でこれだけ和むのか、と驚いた。

 印象的だったのは、「好きな食べ物」のテーマで「お酒」と答え、笑いを誘っていた女性職員の言葉だ。「わざわざ飲みニケーションしなくてもこういう機会があればいいですね」と感想をもらしたのだ。お酒が好きなのに?と問うと、女性はこう返した。「お酒を飲むのは趣味ですから、1人で飲みに行きたいんです。職場の人と打ち解けるために飲みニケーションするのはちょっと面倒かな」

 コミュニケーション4はアフターコロナも続ける方針だ。前出の宇田さんは言う。

「人はそれぞれ違うのが大前提。多様な価値観を認め合うきっかけづくりは、ワイワイガヤガヤした雰囲気で語り合える場が最適です。『興味・関心を持って相手に向き合う』というコミュニケーションの基本を磨く機会は、これからますます重要になると考えています」

(編集部・渡辺豪)

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?