食のマーケティング会社「シーザスターズ」(東京都渋谷区)は、「働く人の飲み会」にフォーカスした独自のアンケート結果に基づき、「飲み方トレンド予測」を昨年末に発表した。千秋広太郎社長(38)はコロナ禍で実施した理由をこう話す。
「以前から仕事関係の飲み会でストレスを抱えている人は多いと感じていましたが、コロナ禍で飲み会がなくなったことで、ストレスの原因を客観的に考察できると思ったんです」
調査では、職場の仲間と集まって飲む「日本の飲み会文化」について、「時代にあっていない」「どちらかといえば時代にあっていない」との回答が6割に上った。参加の自由や飲料選択の自由などの“自由さ”が求められている傾向も浮かんだ。
■飲む以外の新しい試み
「職場の飲み会も多様性を認めなきゃいけない時代になったということです」と千秋さん。20~30代を中心に「ノンアルコール」のニーズが高く、お酒が飲めないわけではないが、あえて飲まない「ソバーキュリアス」が増えつつあることもわかった。これからは「飲料・飲み方のダイバーシティー」が加速する、というのが結論だ。
飲み会だけがコミュニケーションの場ではない。コロナ禍の職場のコミュニケーション不足を補おうと、日本生命保険が今年4月から導入したのが「コミュニケーション4」だ。
業務時間内にリアル、オンラインを問わず4人で30分間、会話するというシンプルな取り組みが職場のコミュニケーション活性化に意外なほど役立っているという。
ミソは「4人」「30分」「業務外のテーマ」の3点だ。リモート参加も念頭に、オンラインの画面上でもそれぞれの表情が見やすく会話しやすい人数を考慮し、4人に決めた。業務に支障がない範囲で、全員にある程度まとまって発言する機会を与えられるのは30分がベストと判断した。
人材開発部輝き推進室の宇田優香室長は「メンバーは毎回、シャッフルされます。業務で直接かかわったことのない人とも、オフィシャルに雑談できる機会を作ったことに意義があったと思っています」と話す。