作家の室井佑月氏は、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員へ、自身の役割を見直してほしいと語る。
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10月21日付の毎日新聞の、「『いいね』も名誉侵害」という記事によれば、「ツイッターで自身を中傷する投稿に『いいね』を押されて名誉感情を侵害されたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、自民党の衆院議員で総務政務官の杉田水脈氏に220万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、(中略)杉田議員に55万円の賠償を命じた」
という。
まず、はじめに一言。詩織さん、長いこと辛かったね、でもよくここまで頑張ったね。あたしはあなたを尊敬します。
そして、杉田水脈さんにも、ぜひいいたいことがある。
判決を受け、55万円を払ったらそれで終わりとするのではなく、じっくり自分がしたことについて考えて欲しい。
「元TBS記者の男性から2015年4月に性暴力を受けたと訴える伊藤さんに対し、ツイッター上で『枕営業の失敗』などとする複数の匿名投稿がなされた。杉田議員は18年6~7月、こうした投稿25件に『いいね』を押した」
伊藤さんは元記者の男性から準強姦(ごうかん)被害を受けたとして警視庁へ被害届を提出したが、なぜか元記者の逮捕直前で捜査が止まった。
それについては、この元記者の男性が安倍晋三元首相と昵懇(じっこん)で、当時、内閣情報官だった人間に、どうにかしてくれという趣旨のメールを元記者が送っていたとも報じられた。
伊藤さんはそういう恐ろしいものと闘っていたのだ。
対する杉田氏はといえば、自民党の比例代表選出。権力の中枢から可愛がられ、ここまでのしてきた女だ。
そういう背景があるからだろう、杉田氏ははじめから権力側につき、伊藤さんをディスりだした。
あたしはこれを、杉田氏が女だから、命じられた役だったように思う。安倍元首相が傷つかないよう盾になる。