皇后雅子さまが58歳の誕生日を迎える朝、宮内庁が写真を公開した。一人で立つ姿と、これまでに公開されてきたお誕生日写真からは、雅子さまの決意とメッセージが読みとれた。AERA 2021年12月27日号から。
【写真】2019年のお誕生日に際して公開された雅子さまはこちら
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皇后雅子さまが58歳になった12月9日の朝、ふいにあの名作アニメ「アルプスの少女ハイジ」を思い出した。公表された写真がきっかけだった。
雅子さまが立っていたのだ、一人ですっくと。それまでの誕生日にはずっと、ソファに座る写真が公表されていた。それが立ち、しかもゴールドのアンサンブルという華やかな装いだった。
コロナ禍がもう2年にもなり、収束の目処(めど)が立たない2021年。雅子さまは新しいことを模索している。動き出そうとしている。そう思え、うれしくなって、あの有名なせりふを思い出した。「立った、立った、クララが立った」
雅子さまの誕生日写真に「!」となったのは、これが初めてではない。19年、令和になって最初のお誕生日写真もそうだった。雅子さま、ばえていたのだ。
前年まで長きにわたり続いていた「パンツ+カーディガン」をきっぱりやめて、「ジャケット+スカート」になっていた。しかも色は光沢あるゴールドで、さらにソファに置かれた明るい黄色の四つのクッションと色調が合っていた。まるでインスタ映え。勝手にそう思った。
■勝負服はゴールド
皇后として初の写真だった。つまり、仕事モードへのギアチェンジ。そこにインテリアとの調和という付録までついてきた。全体に目配りしての洋服選び。これはもう雅子さま、余裕じゃないか。そう思った。
ちなみにこの年も今年もゴールド。雅子さまは“勝負服”に、この方向の色を選ぶ。19年5月4日、天皇陛下の即位を祝う一般参賀では鮮やかなイエローのドレス、翻って1993年、婚約決定後の記者会見ではカナリアイエローのワンピース。やはり今年の雅子さま、勝負に出たに違いない。
そんなわけで、誕生日に公表された写真から、雅子さまの来た道を振り返ってみる。まずはご結婚直後。雅子さまは誕生日にお一人で記者会見に臨んでいた。96年、33歳の誕生日からで、01年は愛子さま出産でお休み、02年に復活した。が、03年は会見も写真の公表もなかった。