テントとミニバンで提供している検査所は、無数にあるが、どこも長蛇の列。スマホで登録し、バンの中で検査を受ける(撮影/津山恵子)
テントとミニバンで提供している検査所は、無数にあるが、どこも長蛇の列。スマホで登録し、バンの中で検査を受ける(撮影/津山恵子)

■ミュージカル公演中止

 混乱は、検査所だけではない。観光名所ラジオシティで開かれている年末恒例の「クリスマス・スペクタキュラー」は、クリスマスを前に17日から1月までの全ての公演が中止されることになった。ロケッツという女性のラインダンスが有名だが、劇場側は「パンデミック(世界的流行)で困難」(プレスリリース)と判断。同様に、9月に1年半ぶりに再開したブロードウェーのミュージカルもスタッフやキャストの感染で次々に公演中止に追い込まれている。

 カフェは「テイクアウトのみ」、バーやレストランは「(再開)お知らせまで休業」という貼り紙を出し始めた。12月中旬まで、例年並みのパーティーの予約が入り、屋外席でしか営業できなかった20年の「辛酸」を忘れさせる年末になるはずだった。しかし、パーティーを予約したグループの中で陽性者が出たという理由で、次々とキャンセルが入り、さらに感染爆発で、再度休業へと追い込まれた。

 フレンチレストランのマネジャー、イザベル・Pさんは、クリスマスに南部フロリダ州へ旅行する予定だった。しかし、検査を受けられず休暇は断念。レストランに戻ると、パーティーのキャンセルが相次ぎ、多くの食材を仕入れたシェフが頭を抱えていた。

「新型コロナは、生活を一瞬にして変える侵略者のようね」と語った。(ジャーナリスト・津山恵子=ニューヨーク)

AERA 2022年1月3日号-1月10日合併号

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