シンシナティ・レッズの秋山翔吾は、今年、多くの不運に見舞われた。春季キャンプ中は夫人が倒木事故に遭い、秋山自身もオープン戦で左ハムストリングを痛めてしまった。さらに終盤にも、右太もも裏の張りで負傷者リストに入り、そのシーズンを終えた。レッズの専門メディア『ブログ・レッドマシン』は、秋山に同情は示すも、「2021年シーズンのパフォーマンスは、(ABC評価において)Dであった」と、厳しい評価を与えている。特に、打率.204、33安打、12打点と打撃が振るわないところにいら立ちを見せ始めている。だが、今シーズンは主に代打や守備固めで、出場も88試合と、その出場機会の少なさも指摘されている。現地では機会さえ増えれば状況は変わると言われている。来季で契約最終年を迎える秋山は、これまでの評価を覆すことができるのか、あるいは再び控え要員という扱いになるのか。春季キャンプが運命の分かれ道になりそうだ。

 ボストン・レッドソックスの澤村拓一は、中継ぎとして55試合に登板し、5勝1敗、10ホールド、防御率3.06を残し、専門メディア『BoSox Injection』のシーズンを振り返る記事の中で、「ファンからは厳しい声もあったが素晴らしい成績を残した」という評価を得た。澤村はすでにレッドソックスとの契約を結んでおり、来季もブルペン陣の一角としてプレーする姿が見られるだろう。

 澤村と同じく1年目の有原航平は、シーズン終了直前にDFA(メジャー出場前提となる40人枠から外す処置)を受け、テキサス・レンジャーズ傘下のマイナー所属となった。有原は先発した最初の4試合で、2勝1敗、防御率2.21と好スタートを切ったが、5月の負傷者リスト入りや6月の右肩の手術で、長い間戦列を離れることを余儀なくされてしまった。最終的には10試合の登板で、2勝4敗、防御率6.64だったが、DFAを受けたからといって有原のメジャー挑戦がこれで終わるわけではない。スポーツメディア『ジ・アスレチック』は、来季のレンジャーズの投手陣を予想する記事において、「有原のことを忘れてはいけない。マイナー契約だが、必要に応じて2022年に求められるイニングをチームに提供できる」と、戦力として期待できると主張。万全の状態で来季を臨むことに期待が寄せられていた。

 今年は8人の日本選手がMLBの舞台でプレーした。中には、厳しい評価を受けた選手もいるが、それぞれがそのプレーで多くの話題を提供し、印象的に強く残る1年となった。来季は、ここに鈴木誠也が加わる予定だ。はたして、彼らはどの様なプレーをみせてくれるのだろうか。その活躍に期待したい。(在米ジャーナリスト・澤良憲/YOSHINORI SAWA)

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