一方、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有と、ミネソタ・ツインズの前田健太、そして、現在FAとなっている菊池雄星は、現地メディアの期待に沿う活躍を見せることはできなかった。

 ダルビッシュの苦しむ姿は、現地メディアにとっても予想外だった。昨年末の電撃トレードで、シカゴ・カブスからパドレスに加入したダルビッシュは、前半戦では7勝3敗、防御率3.09と、期待通りの活躍をみせていた。しかし、後半戦は1勝8敗で、防御率は6.21に上昇。パドレスの専門メディア『ガスランプ・ボール』は、ダルビッシュを総括する記事の中で、「素晴らしいスタートを切ったシーズンは、最後はがっかりするものであった」と評価。

 しかし、ダルビッシュの不振はケガが主な理由だ。同記事にもそのことは指摘されている。そして、「彼は認めないかもしれないが、対処しなければならないほどの腰や背中の問題を抱えたままでは、最高のパフォーマンスをみせることは難しかっただろう」と、心配も寄せた。現地メディアはケガさえなければ、「エースとして復活できる」と信じている。ダルビッシュについては来季の復活に期待したい。

 前田も前年に比べると不調だったが、これらは全て肘の故障が原因だった。しかし、その理由がわかるまで、現地メディアは寒い気温やチーム状態がその原因ではないかという推論を展開。地元紙『スター・トリビューン』のフィル・ミラー記者も、「なにもかもが違っていて、私自身大変驚かされた」と言うぐらいに衝撃的な出来事となった。前田は、9月1日に右肘靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)を受け、10月からリハビリを開始している。来季は全休する可能性はあるが、現地では1日でも早くマウンドに戻ることが望まれている。

 菊池の失速は、自身の契約更新にも少なからず影響を与えてしまった。開幕直後は、MLBキャリアの中でも好調な滑り出しをみせ、シアトル・マリナーズの地元紙『シアトル・タイムズ』のライアン・ディビッシュ記者からも、「彼はすばらしい成長を遂げた」という高く評価を得ていた。しかし、後半戦ではその勢いも落ち、7勝9敗、防御率4.41でシーズンを終える。

 もしもの話にはなるが、菊池が1年を通じて活躍ができていれば、今の状況は大きく変わっていたかもしれない。マリナーズはシーズン終了直後、菊池に対し、球団側が持つ4年総額6600万ドル(約74億9647万円)での契約延長オプションを行使しないという姿勢を示した。菊池には、年俸1300万ドル(約14億7670万円)の1年契約でマリナーズに残留する道もあったが、そのオプションを破棄し、FAとなることを選んだ。今は菊池がどの球団に入るかはわからないが、今後はこれまで以上に好成績が求められるだろう。

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