信教の自由にも「制限」
岸田文雄首相は17日の衆院予算委員会で、宗教法人法に基づき「質問権」行使に向けた手続きを進める必要があると明言。18日に解散命令を裁判所に請求する際の要件に「民法の不法行為は入らない」としたが、19日の参院予算委では「行為の組織性や悪質性、継続性などが明らかとなり、宗教法人法の要件に該当すると認められる場合、民法の不法行為も入りうる」と法解釈を変えた。
解散命令や質問権の行使について「信教の自由」を訴える声もあるが、全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長の川井康雄弁護士は「宗教法人の自由」「信者にとっての自由」「勧誘される国民側の自由」の三つの視点があるとして、こう指摘する。
「信教の自由は無制限ではありません。たとえば、正体を明かさないまま勧誘し、教義を教え込むのは信教の自由の侵害につながります。(安倍元首相銃撃事件で殺人容疑で送検された)山上徹也容疑者の母親は過大献金によって破産に追い込まれましたが、そうしたケースは全国にたくさんあり、財産権の侵害にあたる。第三者の人権を著しく侵害していると言えます」
(編集部・福井しほ)