ヤクルトの高津臣吾監督、オリックスの中嶋聡監督には、改めて敬意を表したい。20年シーズン最下位のチームをよく、2年連続のリーグ優勝へと導き、日本一をかける舞台へと連れてきた。2軍監督として選手の能力を把握し、1軍監督となって適材適所の配置で戦力を最大化する。各球団ともに、2軍監督を経て1軍監督になるという流れは、もう揺るぎないものとなっている。各球団ともシーズンで50人以上の選手を使う時代。その一人ひとりの性格、特徴をしっかりと把握して起用する中で結果を出させ、自信を持たせる。そういった能力が今の監督には求められる。
高津監督、中嶋監督ともに、野球をとにかく勉強しているのだろう。両監督から短期決戦の中でどんな勝負手が繰り出されるのか。その点にも注目してみていきたい。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2022年11月4日号