さらに来年からは、EV搭載のバッテリー部品について、米国産または米国との自由貿易協定を結んだ国の製品であることが求められ、その比率は23年50%、29年には100%になる。しかも、日米貿易協定は自由貿易協定とは認められそうにない。日本メーカーにとって本来は不利な条件だ。
韓国政府は、EVに賭けているので、今回の米国の政策について、大問題だとして、米国との間で本気の交渉を行っている。一方、現代自動車は早くから米国内でのEV工場建設を表明。それが稼働すれば、補助金の対象となる。また、韓国の電池メーカーで世界2位のLGエナジーソリューションやSKハイニックスなども米自動車メーカーと組んで大規模電池工場建設に巨額の投資をしている。これらが稼働すれば、補助金の条件を満たし、テスラ追撃を目指すことが可能となる。
日本はと言うと、当面売れるEVがないので補助金は関係なく、全く蚊帳の外状態。
中国、欧州に続き、米国でも日本メーカーがEV化競争で完敗する日が近づいている。
※週刊朝日 2022年11月4日号