中古車市場は
「ロレックス化」している

 まず、新車よりも中古車が高いという異常現象ですが、他の商品分野ではたまに起きる経済現象でもあります。有名なのが、高級時計のロレックス・デイトナです。最新の定価で一個176万円もする高価な腕時計ですが、正規販売店に行っても買うことができないことでも有名です。

 背景としては世界的に富裕層が増えた一方で、職人さんが904Lという硬くて加工しづらいステンレスからケースを切り出していくので、供給本数は増やすことができないという事情があります。需給ギャップが大きく広がった結果、状態が良く新品に近いクオリティーの中古品が600万円台で取引されるようになりました。

 当然のことながら、176万円で買ったものが600万円で売れるなら転売が起きます。そこで正規販売店は購入者をきちんと見極めて売ろうと考えます。結果として、ロレックスでは一見さんは正規販売店で購入することはできないのです。

 ブランド物の世界では、需給の関係から限定モデルなど中古品にプレミア価格がつくことはよくある現象です。ロレックスの場合は定番モデルであるにもかかわらず、需給の関係から市場価格が異常になっているところが特別な経済現象といえます。

 では、自動車業界でなぜこのような異常現象が起きているのでしょうか? 構造としてはロレックスと同じく需給が崩れているわけですが、その原因となる要因をまとめてみましょう。

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新車の供給不足が「2024年まで続く」と言われる理由