ジャーナリスト・鈴木エイト
ジャーナリスト・鈴木エイト
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自民党の統一教会汚染 追跡3000日」(小学館)を9月末に出版したジャーナリスト・鈴木エイトさん。多くのメディアが沈黙するなか、なぜ、1人でこの問題を追い続けたのか。

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 長いおつきあいになるが、不思議な雰囲気を持ったひとだ。

 直撃取材した政治家に警察を呼ばれても、取材現場で新聞記者らから邪魔だと怒鳴られても、「お前、なにニヤニヤしているんだ」と言われることが多い。

「僕の悪い癖なんですよ。怒っている人をみると、反射的にニコニコしちゃうんです」

 あまのじゃくで自分を嫌っている人々を取材するのが好きだという。対象者がいやいや取材に応じるうちに言葉に矛盾がでてくる。

「そこを突くと、最後に取材対象者が笑い出すこともある」

 声を荒らげることなく、ニコニコしながらも粘り強く、取材する。自称、「のら系」ジャーナリストだ。のらというのは野良のこと。組織には属さず、独自のやり方で旧統一教会を追ってきた。

 大学卒業後、しばらくバンド活動をやっていたが、芽が出ずにビル管理会社の契約社員になった。旧統一教会の問題と最初に遭遇したのは2002年ごろ。東京都内で旧統一教会の信者が若者たちをだまして勧誘をしているのを割って入り、阻止したことがきっかけで興味を持った。

 旧統一教会が主催する合同結婚式に著名人が参加し、霊感商法が取りざたされたのは1992年。

 霊感商法の問題はそれ以降、次第に忘れられ、長い空白期間ができた。

 旧統一教会の勧誘のやり方などへの疑問をブログに2005年ごろから書き始めたが、反応はなし。全国霊感商法対策弁護士連絡会の会合や、日本脱カルト協会を取材するようになり、2009年にジャーナリストの藤倉善郎さんが立ち上げた「やや日刊カルト新聞」に参加した。

 旧統一教会を巡っては、悪質な霊感商法や大学生への強引な勧誘、カルト2世たちの苦悩などひどい現実があったが、ほとんど報じられなくなっていた。安倍政権の誕生後、教団のイベントなどで自民党の政治家らが出席し、あいさつする姿を何度も目にした。

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