ジャーナリスト・鈴木エイト
ジャーナリスト・鈴木エイト

「これでは政治家が教団にお墨付きを与えているようなもの」

 安倍政権と旧統一教会との関係を書きたいと思い、雑誌の編集部などを訪ね歩いたが、なかなか取り上げてもらえなかった。本格的な記事を最初に書いたのは週刊朝日2014年4月3日号。国政選挙で政治家が宗教団体の組織票に頼る実態をルポしたが、当時は安倍政権の絶頂期。反響はまったくなかった。その後も安倍晋三元首相、菅義偉前首相、萩生田光一政調会長と教団の関わり、教団の名称変更問題などを同誌で次々と取り上げたが、記事は黙殺され続け、教団から嫌がらせを受けるようになった。

 9年ほど前、エイトさんと出会い、週刊朝日で旧統一教会の問題を一緒に取材を始め、年に数本書いてもらうようになった。そのやりとりをしていた時、電話口で赤ん坊の泣き声やトンカントンカンと大工仕事をしているような音がよく聞こえた。理由を聞くと、書く仕事だけでは、食べられないので不動産業もやっているという。契約社員を辞めた後、金融機関などに資金を借り、個人で会社をつくり、競売物件を落とし、業者と一緒に安くリフォームし、賃貸収入や施設管理などで生計を立てた。

 そのため、朝早く作業服を着てトラックで出て行くので私生活まで教団関係者に調べられ、「ジャーナリストじゃなくて大工」と吹聴されたこともある。5年前に旧統一教会がまいた「自称鈴木エイト氏のフェイクニュース拡散の意図とその手法について」と題された文書を今でも持っている。

 週刊朝日にエイトさんが書いた記事は空想に基づくデマで、全国霊感商法対策弁護士連絡会と連携したフェイクニュースと断罪されていた。

 個人攻撃を受け、記事が次第にメディアに載りにくくなったが、逆に燃えた。それならば、とツイッターを使って国会議員と教団の関係を自力で発信した。

「教団関係者などからタレ込み情報が寄せられるようになった。教団イベントに参加した政治家の写真をアップすると、名前など詳しい情報が提供されることもあり、手応えを感じた」

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