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今年(2022年)の梅雨入りは、沖縄と奄美以外はまだ発表されていませんが(6月5日16時現在)、この梅雨入りの発表は「速報値」で、9月初めに夏の天候などを考慮して「確定値」が発表されます。梅雨入りの「速報値」と「確定値」は、どれくらい違うのでしょうか?

昨年 速報値から確定値が大幅に変更

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今年の梅雨入りは、沖縄と奄美以外はまだ発表されていませんが(6月5日16時現在)、この梅雨入りの発表は「速報値」で、9月初めに夏の天候などを考慮して「確定値」が発表されます。「速報値」と「確定値」は大きく異なる時があり、昨年(2021年)は1カ月近くも遅く見直された所がありました。

昨年(2021年)の梅雨入りは、「速報値」では九州~東海では5月11日~16日にかけて平年より大幅に早い梅雨入りが発表されました。各地で平年より3週間ほど早く、四国や近畿では統計史上最も早く、九州南部や北部、中国、東海は統計史上2番目に早い梅雨入りと騒がれました。しかし「確定値」では、近畿や東海では1カ月近くも遅い方に見直され、平年よりも遅い梅雨入りに変更になりました(確定値:九州北部と四国では統計開始以来、最も早い梅雨入りに)。

関東甲信では、東海と同じようなぐずついた天気が続きましたが、「速報値」では東海より1カ月くらい遅い梅雨入りとなりました。しかし、結果的に「確定値」では、東海と関東は、ほぼ同じ日となりました。

関東甲信地方 速報値と確定値が違う確率3割

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関東甲信地方の過去20年間(2002年~2021年)の梅雨入り「速報値」と「確定値」をみると、3割の確率で変更になっています。2013年は「速報値」では5月29日でしたが、「確定値」は6月10日と、なんと12日も遅く修正されました。速報値では、過去3番目の早さとされた梅雨入りは、平年の6月8日(※)よりも遅くなりました。※梅雨入りの平年値は2021年から新平年値に変更:旧)6月8日(1981年~2010年)→新)6月7日(1991年~2020年)。

また、梅雨入りや梅雨明けが特定できない年もありました。関東甲信では、梅雨入りが特定出来なかった年はありませんが、1993年(大冷夏で平成の米騒動が起きた年)は、九州~東北にかけて梅雨明けが特定出来ませんでした。

梅雨入りの発表 過去いろいろ

梅雨入りの発表はメディアの関心も高く、予報官最大の憂鬱と称した記事もあるほどです。過去には発表方法を変更して失敗に終わったこともあります。今から25年くらい前、梅雨入り・梅雨明けを、日にちではなく「6月上旬前半」とか「7月下旬後半」など、旬日程度の期間で発表しましたが、分かりにくいと評判が悪く1995年と1996年のわずか2年間で終了となりました。

今年の梅雨入り 6月中旬以降か

あす6日(月)にかけては、前線を伴った低気圧が本州の南岸を発達しながら東へ進む見込みです。西日本・東日本は雨で、太平洋側を中心に大雨の恐れがあります。梅雨入りの一つのタイミングではありますが、8日(水)以降、再び前線が南下するため、今年は梅雨入りのタイミングが難しそうです。

6月中旬になると太平洋高気圧が強まり、梅雨前線が北上するため、このタイミングで九州から東北で一斉に梅雨入りとなる可能性が高くなっています。

天気は移り行くため、この日から梅雨だと線引きできません。そのため、気象庁の梅雨入りの発表は「●日ごろ」と、「ごろ」をつけています。梅雨入りの日にちにこだわるより、本格的な雨の季節を前に側溝の掃除をしたり、ハザードマップを確認するなど備えておきましょう。