■満足はしていない

――いざデビューを果たすと、CDはミリオンセールスを連発。破竹の勢いで活躍の場を広げているが、現状の満足度を尋ねると不敵な笑みを浮かべた。

深澤:だって俺、「Movin’ up」を作ったんですよ?(笑)。満足はしてないです。

 でも、Snow Manが世間の人に「すごい」と言ってもらえるのは、支えてくれているファンの人たちがすごいからなんです。何かあるとSNSのトレンドに入るし、反響の大きさに俺らが「うそ!?」となるときもよくあります。そこに対しては、本当に感謝してもしきれません。

 あと……自分たちのことを言うのはアレだけど、デビューさせていただいて2年半経ちますが、何かを届けるときの熱量の高さは、変わらずキープできていると思います。歌番組に出る前は、今も必ず30分はダンス練習をします。そこは自分が所属しているグループながら、いいなあと思う。そういうのは、きっと見てくれる人に伝わると思う。今まで通り「らしく」努力を続けていけば、もっともっとぼくらを応援してくれる人が増えてくれると思っています。

――深澤の名を検索すると、上位にサジェストされるのが「リアコ」というワードだ。リアルに恋しているの略語で、「推し」ではなく、リアルな恋愛感情を抱くことを指す。Snow Manの“リアコ枠”として人気を誇っている。

深澤:それ、よく言われるんですけど、自分では全然理由がわからなくて。たぶん、「普通」だからでしょうね(笑)。どこにでもいそうだし、本当にその辺にいますし。昨日も買い物をしていたら、「ファンです」という人と居合わせて、「そうなんだ、何買うの?」とか普通にしゃべりました(笑)。そうやって人と話すのが、息抜きにもなる。こうしてインタビューを受けているときも、番組収録中も、原宿を歩いてるときも、俺は「同じ」なんです。人に信頼してもらうには「作らないこと」って大切だと思うから。

 だから俺、YouTubeに出る時はすっぴんで出たいんです。テレビ番組に出演する時はちゃんとメイクしますけど、主にファンの人に届けるコンテンツでは、作りすぎた「アイドル」ではなく、ラフな自分でいたい。作った俺が話す「思い」は届かない気がして。俺はいつまでもファンの「一番近くにいる人」でいたい、と勝手に思っているんです。

――今年30歳を迎えた。憧れる男性像を尋ねた。

深澤:滝沢くんと河合くん。自分が追いかけた先輩方はやっぱりすごかった。憧れますね。滝沢くんには、「面倒を見た後輩の中で、お前がダントツで手がかかった」と言われますけど、自分としては素直でいい子だったと思うから、ちょっとわからない(笑)。でも、見捨てないで育てていただきました。自分が与えてもらったように、いつか誰かにいい影響を与えたい。そんな人になれたらいいですね。

(ライター・大道絵里子)

AERA 2022年10月3日号

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