尿酸値が9mg/dLとなると痛風の発作を起こす可能性が極めて高く、薬を飲む必要があるという。記者が痛風になった当時の数値は9.8mg/dL。毎夕、尿酸値を下げる薬を飲む日々だった。

 尿酸値は遺伝的な体質に加え、肥満やアルコールの過剰摂取によって上昇する。ここで注目すべきは、尿酸のモトになるプリン体だ。細胞の中にある核酸を構成する成分の一つで、古くなった細胞が壊れて核酸が分解するとき、プリン体も分解されて尿酸が作られる。

「プリン体は多くの食品に含まれますが、レバーや内臓類では特に多い。プリン体は血液を介して肝臓に集まり、代謝されて尿酸になる。尿酸の約80%は腎臓で濾過され、尿に溶けて体外に排出されますが、プリン体を多く含む食品を食べすぎると排出が追いつかなくなり、高尿酸血症となる。飲みすぎ、肥満、高血圧や甘味ジュースのとりすぎなども要注意。放置すると痛風になる危険性が高まります」(谷口医師)

 日高医師も生活習慣が大きな要因だと指摘する。

「過食や運動不足による内臓脂肪型の肥満となり、脂質や糖質の代謝に異常をきたして複数の生活習慣病をまねく病態を『メタボリックシンドローム』と言いますが、痛風もまた尿酸の代謝異常が原因の生活習慣病の一つです。不規則な食生活、食べすぎや動物性脂肪のとりすぎによる肥満、精神的ストレス、アルコールの過剰摂取などが尿酸値を上げる要因となります」

 痛風を治療せずにいると、合併症を起こす可能性が高いという。

「高尿酸血症が継続していると、腎臓に尿酸がたまってきて腎機能障害になる恐れがある。進行すれば生命にかかわります。狭心症や心筋梗塞などのリスクも高まりますし、尿酸値の高い生活習慣の人は糖尿病にもなりやすい。糖尿病が進むと、尿酸値が逆に下がるのが特徴です。合併症を招かないためにも、早い段階から食事や運動などの日常生活を改善し、尿酸値をコントロールすることが重要です」(日高医師)

 記者自身が7年前に痛風の発作を起こした要因は明白だ。アルコールの過剰摂取である。胆道系疾患も相まって尿酸値が上昇し、肝機能の指標とされるγ-GTPの数値も1000U/L(基準値70以下)と異常に高かった。断酒すると徐々に尿酸値は下がり、やがて痛風の症状は消えた。

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