「大きな買い物」で痛感する指南役の重要性
(イラスト:サヲリブラウン)
「大きな買い物」で痛感する指南役の重要性 (イラスト:サヲリブラウン)
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 世の中には、「大きな買い物」と呼ばれる品があります。たとえば、家や車。物理的な大きさだけでなく、金額も大きく、すぐには買い替えしづらい品々のことを指します。

 買い替えづらい点では、冷蔵庫や洗濯機など大物家電も大きな買い物。長期使用前提の買い物には緊張が伴います。

 さて、半世紀近く生きてきた私が新たに気づいた大きな買い物と言えば、ベッドマットレス。ご存じの通り、人生の約3分の1は睡眠時間。ここを快適に過ごせるか否かで、残りの3分の2の質が決まってくるのが中年以降なのです。

 ベッドマットレスの寿命は、だいたい10年前後と言われています。ならば、10年以上前に買った私のマットレスは、もう寿命なのかも。最近寝苦しいのはそのせいかしら? もういい年だし、ここはひとつ良いものを選ぶとするか。

 というわけで、ベッド底値市なるものに行ってきました。様々なブランドのベッドが一堂に会した展示会である以上に、「底値」というワードに惹かれたのは言うまでもない。

 フランスベッド、日本ベッド、西川などの国内ブランドから、3Sと呼ばれるアメリカのシモンズ、シーリー、サータなどなど。ひとまず片っ端から寝そべってみたものの、横になればなるほどわけがわからなくなります。失敗したら10年寝苦しくなるのかと思うと、簡単には選べません。

 そこへサッと登場したのが、某アメリカブランドの担当者さん。ベッドマットレスの簡単な構造説明や、寝心地と値段が比例するわけではないこと、様々なメーカーの品を比較するときは同じ価格帯のものを比べ、寝心地がよいと感じたブランドの中から選ぶこと、横向きで寝る人は仰向けではなく横向きで確認すること、マットレスと枕は同時に替えたほうがいいことなどを教えてもらいました。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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