こうなると、組織としての自浄能力が失われ、統一教会のように深刻な問題が出た時でさえ、執行部の場当たり的対応にも表立った批判が出ず、問題を根本から是正することができなくなる。組織としては末期症状だ。
さらに、村上氏は、「野党がだらしないから自民党が腐敗する。国葬も立憲民主党は執行役員全員欠席と言いながら、元総理で党最高顧問の野田(佳彦)さんは出席だそうだ、国民は何が何だかわからなくなる」と嘆いた。確かに野党の支持率は低迷したままだ。
臨時国会が始まれば、野党の攻撃で岸田政権の支持率はさらに低下し、自民党内の岸田おろしが激しくなる。しかし、野党の状況を見れば、岸田総理としては座して死を待つよりも、衆議院を解散し、ダメな野党と自民党のどちらを選ぶかと国民に問いたいという誘惑にかられるだろう。解散総選挙となれば、究極の選択を再び強いられる国民の間では棄権が増え、投票率はさらに下がる。
その結果、自民党勝利で何も変わらず、国民の政治離れは加速する。
「民主主義の危機スパイラル」からの脱出は不可能なように思えてくるのは私だけだろうか。
※週刊朝日 2022年10月7日号