カニエ・ウェスト、イージー・ストアの導入を巡ってギャップと決裂
カニエ・ウェスト、イージー・ストアの導入を巡ってギャップと決裂

 カニエ・ウェストことイェーとギャップのコラボレーションが終了することがわかった。

 カニエの弁護士は、合意通りに店舗のオープンや商品のリリースを怠り、契約に違反したとしてギャップとの2年間の関係を終了することを知らせる手紙を送ったようだ。

 現地時間2022年9月15日、「ギャップの契約上の義務の実質的な不履行は、大きな代償となった」とカニエの弁護士であるニコラス・グラヴァンテは米CNNに声明で述べた。彼は「イージーの販売店をオープンすることで、イェーは失った時間を取り戻すべく速やかに行動します」と明かし、ギャップがイージー・ブランドの店舗をオープンできなかったと報じられた後、カニエにとって「コラボレーションを終了する以外の選択肢はなかった」と説明した。

 当初、このパートナーシップは2020年6月に発表され、即完売し、話題性のある商品のリリースが含まれていた。今回の決裂について米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道によると、ギャップは2021年の第3四半期と第4四半期にイージー・ギャップの商品の40%を店舗で販売しなければならず、これは実現しなかったとされている。このパートナーシップの最初のアイテムであるイージー・ギャップ・フーディは昨年秋に発売されたが、ギャップのウェブサイトのみで販売された。

 カニエは、最近自身のSNSのアカウントで、ギャップが彼のデザインをコピーしたり、クリエイティブ面における決定やミーティングから彼を外していると主張し、ギャップとの契約やアディダスとの契約を非難する厳しいコメントを次々に投稿していた。WSJによると、決裂の報道に関わらず、イージー・ギャップの既存商品は在庫がある限りギャップの店舗で販売され、ギャップで販売されているバレンシアガとのコラボ商品には影響がないようだ。

 イージー・ギャップ・エンジニアード・バイ・バレンシアガの商品は今年7月に店頭に初登場し、ギャップはホリデー・シーズンに間に合うようにイージー・ギャップの新商品を秋に店舗で販売する予定であると述べた。多くのメディアが引用した、合意条件を実行しなかったと申し立てるグラヴァンテ事務所の手紙で、ギャップは2023年7月31日までに5つのイージー・ギャップの店舗をオープンするよう要求されていたと伝えられているが、現在までに1店舗もオープンしていない。

 今週初め、米ブルームバーグのインタビューに応じたカニエは、「大丈夫。企業(ギャップ、アディダス)は儲かったし、私も儲かりました。私たちは、アパレルを永遠に変えてしまうようなアイデアを生み出しました。例えば、丸みのあるラウンド・ジャケット、シューズ業界の概念を覆したフォーム・ランナー。今こそ、イェーが新しい業界を作る時です。私とオーディエンスの間に、もう企業は必要ありません」と説明していた。

 先月、SNSの投稿で、カニエは自身の店舗を「世界中にオープンする。アトランタの店舗から始めよう」と綴っていた。

 米ビルボードは、カニエとギャップの広報担当者にコメントを要求したが、返答は得られていない。