イラスト/石山好宏(AERA2022年9月12日号より)
イラスト/石山好宏(AERA2022年9月12日号より)

交換は1日1度でOK

 自分の吐く息で蒸れているマスク内は、ニキビができやすい環境だ。皮膚にいる常在菌であるアクネ菌が増殖しやすいと考えられている。

 では、ニキビを防ぐには、マスク内の雑菌が繁殖しないように、マスクを頻繁に交換したほうがいいのだろうか。

 埼玉県済生会川口総合病院の皮膚科主任部長、高山かおる医師はこう話す。

「気にしすぎなくていいと思います。マスクにどれだけ菌が付着するかを調べた研究によると、マスクには常在菌や一部有害な菌がつくそうです。そのため何日も同じものを使い続けることは勧められませんが、1日1度程度、交換すればいいでしょう。ただ、汗でマスクがビショビショになったときは、すぐに交換すべきです」

 顔の肌が荒れていて、マスクに擦れると痛い。そう思うと、しゃべることがストレスになってしまうこともある。

 都内にあるコールセンターの管理職の女性(59)は仕事中、マスクのせいで不快に感じることがある。

「今年の夏、口元がピリつくようになってしまって。1ミリくらいの炎症が2、3カ所あって、ピリピリします。取引先と話すとき、いちいち擦れて痛むんですよ。仕事に集中しているときは忘れていますが、そうでないときは気になりますね」

 マスクによる擦れを避けるためには、マスクの選び方がポイントになる。高山医師は言う。

「しゃべって顔を動かすことによって、顔にフィットしていないマスクが擦れて、かゆみが出ることがあります。最近増えてきた立体的なマスクは、口を動かしても肌に擦れにくくなっています。自分に合う素材や形、サイズのものを試すといいでしょう」

夏も肌は乾燥している

 高山医師が続ける。

「感染を防ぐにはなるべく不織布がいいですが、皮膚への刺激になりやすいですし、動くと息苦しさを感じます。しゃべるときは不織布、周りに人がいないときは肌当たりが優しく、通気性のいい布製というように、シーンごとに使い分けてみてはいかがでしょうか」

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